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DIARY

2019.03.21 Thu after all全曲語り(12) 箕面

十二曲目は「箕面」です。

この曲については、まだ何も語れそうにないです。まだていうか、多分ずっと。
出来た日は2012年11月30日。

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【箕面】

あぁ あの子が今日も
元気で うまいもん食って 笑ってたらいいな

たまには意味のないことを唄いたい
ツウカアなあの子にすら意味不明な

よく晴れた日の夜 石橋駅のホームで
僕の人生なら 終わったのさ

2019.03.20 Wed after all全曲語り(11) 10月7日

十一曲目は「10月7日」です。

出来た日は2012年10月7日。三連休の中日だった気がする。あの頃の僕はひどく混乱していた。大阪梅田、中崎町の自宅を穴ぐらと呼んで、いつもうなだれていた。ベランダに出るとすぐそこのチャペルから歌声が聞こえた。
淳久堂に行って詩集を買った。谷川俊太郎の「はだか」と、辻征夫の「かぜのひきかた」。

本当に正直に言うと、当時、死にたいって気持ちを隠し持ってた。夜道を歩いているとき、暗い路地から突然出てきた誰かが僕の命を持ってったらいいと。決定的な終わりが来る前に、もう終わってしまったらいいと。
優先すべきものがわからずすべてに手を伸ばしたから、間違えて毒薬を掴んでも仕方ない、という投げやりな気持ちがあった。一方で愛情や希望に対する執着も根深くて、僕はその矛盾による混乱の中で激しく自己嫌悪していた。
若さに溺れかけてたんやと思う。

誰も彼もが自分に近づきそして離れていくような気がしていた秋の日。黒い黒い僕を突き放すかのように、現実離れした穏やかな陽気が街を包んでいた。
今日はさみしいです、と呟いたら涙が出てしまった。そんな日だった。

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【10月7日】

秋になったこと認めるため
僕は初めて詩集を買った

ベランダで吸う煙草の
落下する灰になって賛美歌を乞う

今日は君と話せるかなぁ
これ以上 腐ってしまわぬように

2019.03.19 Tue after all全曲語り⑩ 空の

十曲目は「空の」です。

出来た日は2013年9月12日。大阪から山科に引越した直後やな。

はっきり言うと、死んでしまった名前も顔も知らない学生のことを思って作った曲。あとは自分のこと、何の助けにもなってやれなかった友達のこと(友達と書いてしまう僕は卑怯だ)、ひたむきで残酷な美しい世界のこと。

死んだらどうなるんだろう。
ひょっとしたらこの宇宙は何かとてつもなく大きなもののお腹の中にあって、死ぬことは、そこから外の世界へ産まれて行くことなんじゃないかな。
いつか外の世界で、僕らはまた出逢うんじゃないかな。
そんなふうに思って作った曲です。

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【空の】

ゲシュタルト崩壊した 太陽の落下軌道
ほどけたら辺りは 音の無い海になった

誰かが呪った朝にも
その光を嗅いだ
缶コーヒー

そのまま君 やっぱ182のバスで
この町を置いてった 空洞を置いてった

僕らは汗を拭いて
無垢な泪の再来を

宇宙の胎内を抜け出して君は
今も元気でやってるか

思い出すのは秋の気配と
夏を嫌った生命体

プラットフォームで立ち尽くす魂
いつか笑顔で再会を

空の 空の 繰り返す空の
どこかで 永い抱擁を

2019.03.19 Tue after all全曲語り⑨ 4月19日

九曲目は「4月19日」です。

出来た日はノートに書いてないけどわかる。2014年の4月19日かその翌日かだ。甥っ子が産まれてその顔を見に行った。

甥っ子は知らない。彼が産まれて伯父さんはこんなに嬉しかったことを。

ちなみに今4歳、もうすぐ5歳の甥っ子は、母親(僕の妹)の悪影響で僕を「こうき」と呼び捨てにする。

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【4月19日】

いつしか さわり合えたつもりの
僕等の永遠にも

春のように終わりが来て
長雨に濡れる石に戻る

白い花 曇天の下咲いた
なんて美しいんだ

星の寿命も気になったりしてる
揺るぎない雑念の一つを愛でるように

2019.03.17 Sun after all全曲語り⑧ かわいい

八曲目は「かわいい」です。

出来た日は2015年12月25日とあります。クリスマスやったんかー。

あれからとても好きな曲だな。本当のことしか歌っていない。

神戸の夜。古いマンションを囲むように大きな欅が三本立っていて、冬には大量の落ち葉が舞う。
なんでも「かわいい」でいいんじゃないかな。
まるで女子高生みたいに、そんなふうに思った。

子どもが産まれたから出来た曲でしょ、とよく言われるけど、実際確かにそうだ。でもそれだけじゃない曲。誰にも届かない落し物のような情景を掬うための曲だ。結局最後にしゃしゃり出てしまう、苦笑するしかない自分らしさまで認めてしまう曲だ。

あと横井さんとこで買ったクラシックギターがなかったら出来なかった曲だと思う。言葉にならないことは間奏で歌った。

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【かわいい】

かわいい かわいい お月様
落葉と影のダンスを見てる

あの子に会えない三年半
仲良くなった階段やドア

都会の隅の水槽に住む 魚の気持ちは知らない
野原に倒れる人間の 心の穏やかさも


かわいい かわいい 君にそっと
差し出すべきは右手か左か

イメージ湧かない 先のこと
何があっても守るから


街灯が燈る瞬間に会うため遠回りをしてた
誰も知らない君や僕も どこかへ向かうように


かわいい かわいい お嬢さん
三十路を過ぎ何年も経って

いまだにかわいい君がいて
それだけで今日 死んでしまいたい