DIARY

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2017.03.22 Wed

梅が咲き、沈丁花が咲き、木蓮が咲き、桜の蕾がふくらんだ。春はもうここまで来ていて、時折僕らの背中や腰に触れてはその到来をアピールするけれど、まだ目の前に回り込んではこない。いずれにしても長い冬が終わったようだ。花粉症でボロボロだけど、冬が終わるのはやっぱりとても嬉しい。
三月二十日に引越しをした。僕にとって人生で五度目の引越しだった。前のマンションは古くて、山も近いから、冬場は隙間風がとても辛く(神戸は風が強いと思う)、また暖かい時期は虫の侵入に家族はおののいていた。僕は虫はさほど気にならなかったが、寒さに弱いので隙間風は辛かった。それでも六甲山を望む眺望はたいへんに気持ちが良く、日当たりも良くて、僕らはそのマンションをとても気に入っていた。その古いマンションの脇にはケヤキの樹が三本立っていて、新緑の頃は緑のカーテンから零れる木漏れ日が部屋に模様をつくって、本当に綺麗だった。秋になるとケヤキは葉の色をなくして、寒くなるにつれ段々と葉を落としていく。落ち葉が舞うのを見るのも好きだったし、大家さんのお爺さんが一生懸命掃除をしているところに出会って、話をするのも好きだった。ご近所さんにも色々と助けて頂いて有難かった。下の階のお宅からはギターの音について言われたこともあったが、「音楽は好きだし、上手だから気にならない」と笑って許してくださった。下手になったらアカンねや、と変なプレッシャーにもなったりしたけど。
今回事情があって、悩んだけれどその家を出て、新しい場所へ移った。縁に運ばれていくのは、仕方のないことというか、それがきっと一番正しいというか、そうなるべくしてなっていると、今は思っている。一家族ぐらいの規模でいうなら、間違いなく全ては今につながっているのだ。かくして僕らは二年間住んだ古いマンションを後にした。

朝、出勤するときにマンションをいつも振り返って見た。窓から、家族が手を振ってくれることがあった。そんなとき僕は、たぶん今が人生で一番幸せなときなんやろうなと思っていた。とりあえず、その時期は終わった。新しい場所が、また次につながる場所であることを願っている。
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